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(公社)日本柔道整復師会第31回東京学術大会 開催!
平成24年9月9日(日)、東京有明医療大学において(公社)日本柔道整復師会第31回東京学術大会が開催された。
開会セレモニーでははじめに開会の辞が述べられ、(公社)日本柔道整復師会・松岡保副会長は〝本学術大会が盛大に開催できますことを学術大会長として感謝申し上げます。これまで本学術大会で発表された数々の研究成果は地域医療の現場に大きく貢献しています。本日は貴重な学習機会となることを期待しております。本会は現在、接骨院・整骨院での治療効果を統計学的に証明するため、多くの症例を集める全国的な調査活動を実施しています。また卒後研修の制度化に向けた働きかけやJICAと連携して柔道整復術を世界に発信する普及活動等、柔道整復師のさらなる資質向上と発展を目指すため、課題は山積している〟等、(公社)日本柔道整復師会・萩原正会長の挨拶文を代読した。
続いて(公社)東京都柔道接骨師会・工藤鉄男会長は主管挨拶として〝先ほど松岡副会長からも卒後研修制度の法制化についてお話がありました。何としても法制化して卒業すると即開業、即保険取扱いができる現状を変えていかなければなりません。我々は痛みに対するプロフェッショナルとして、患者さんを問診・触診して医師から情報をいただいて、その中で患者さんが訴えているものと我々の技術がマッチしているのかどうか考えたうえで対応する必要があります。そのためにこのような場で様々な先生方からアドバイスをいただき、そして学んだことを自分の為ではなく地域の住民のために役立てる立派な柔道整復師になっていただきたい〟と本学会に多数出席していた今年養成校を卒業したばかりの柔道整復師達を激励した。
次に来賓挨拶として、社団法人東京都医師会・野中博会長より〝我が国には昭和36年以来50年以上継続している国民皆保険制度があり、病気や障害を抱えた人々を国民全体で支えています。医療従事者はその意義を十分に理解し、地域の住民が安心した生活を送るために病院や診療所が連携して医療体制の充実を図るという大きな使命があります。地域の住民を支えることがこれから我々に望まれることです。そのためには得た知識や技術を活かしながら、我々を必要としてくれる患者さんの人生をどうつくるかを考えていく。これが私たちの使命です〟として、「治すだけの医療」ではなくて、「支える医療」として患者さんに寄り添っていく姿勢が重要と述べた。
学校法人花田学園・櫻井康司理事長より〝医療人として高いステージを目指しながら柔道整復師の役割として地域住民一人ひとりと連携を持っている限り、柔道整復師の明日はそう悲観するものではないという想いを長年持っています。昨今のエビデンスの検証はなかなか進んでいませんが、大学でその研究の一環ができるのではないかと考え、東京有明医療大学を創設したという背景もあります。知ることの楽しさ、知的好奇心を柔道整復師がしっかりと持つことが明日への大きな階段を上る一歩になります。症例を集めて発表し、様々な意見をいただくことが一人ひとりの成長につながります。そのために地域医療、福祉に携わる人間としてこのような学会にどんどん参加していただきたい〟と挨拶があり、特別講演へと移った。
特別講演は栗原整形外科院長・栗原友介氏による「成長期の腰痛-若年者の腰椎分離症について-」、東京有明医療大学教授・柚木脩氏による「画像診断学(四肢・体幹)」の2講演が行われ、両講演とも多くの症例画像を用いて分かりやすく解説。会場からも積極的に質問が投げかけられるなど熱気のある講演となった。
その後、会員による学術交流研究発表、一般発表、表彰等が行われ、第31回東京学術大会は盛況のうちに終了した。