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(公社)日本柔道整復師会 第37回中国学術大会鳥取大会 開催
平成24年7月1日(日)鳥取県鳥取市のとりぎん文化会館にて(公社)日本柔道整復師会第37回中国学術大会鳥取大会が開催され、基調講演と学術発表が行われた。
はじめに(社)鳥取県柔道整復師会・野坂明典会長より〝本日は最後まで勉強して自己研鑽に励んでいただきたい〟との挨拶があり、その後は基調講演へと続いた。
基調講演では浜松医科大学名誉教授・昭和女子大学客員教授 高田明和氏が「脳が若返る」と題した講演を行い〝脳を若返らせる唯一の方法は「心を苦しませない」こと。この一言に尽きる。心の苦しみが病気という形態をとっているに過ぎない。どうしたら心が苦しまないかを知る事が脳を若返らせることにつながる〟と力説し、参加者にこれからの生き方を考えさせるような興味深い講演内容であった。
『柔道整復師と介護保険』
~接(整)骨院と相乗効果が望める介護サービス事業~
ランチョンセミナーでは(公社)日本柔道整復師会・保険部介護対策課の三谷誉氏、藤田正一氏両名が「『柔道整復師と介護保険』~接(整)骨院と相乗効果が望める介護サービス事業~」と題したセミナーを行い、冒頭、藤田氏より〝柔道整復師が介護保険・介護予防事業にどのように係っていくのかを広い視点で話を進めさせていただきたい。柔道整復師として接骨院・整骨院の業務収益を上げて地域に貢献をしていくというのが基本であることは間違いないと考えており、それを念頭に置いて今日の話を聞いてもらいたい〟との挨拶があり、その後、三谷氏によるスライドを使った説明へと移った。
三谷氏はセミナーのポイントとして
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- 接骨院の昼休み等を利用して地域の業務を行っていくという地域支援事業への参入
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- 介護保険制度の通所介護事業についての立ち上げ方法等の情報提供
の2点をあげ、〝平成10年に介護保険は施行をされ、介護関係の施設や事業所において柔道整復師は機能訓練指導員という名前で従事することができるようになり、それと同時にケアマネージャーの受験資格を得ることもできるようになった。これは柔道整復師として新たな職域を拡げるとともに、介護保険分野に参入するためには非常に有意義で大切な事だったのではないかと思う。介護保険制度は平成12年に始まり、3年に1度の改定がある。平成15年、平成18年に改定が行われたが、平成18年の改定というのは6年に1度の大きな改定であり、新たに予防給付が作られた。制度自体が変わり、老人保健事業が再編成され、地域支援事業となり、介護保険が介護給付と予防給付の2つにわかれた。中でも特定高齢施策が初めて登場し、運動器の機能向上事業のスタッフとして機能訓練指導員の活躍の場が広がった。(※1介護保険制度時系列の変化資料)そして6年が経過、平成24年4月に大改定が行われる予定であったが、昨年の大震災の影響でこの改定が伸びているというのが現状である〟等、柔道整復師は介護保険にどのように係ってきたのか、また介護保険制度はどのように変化を遂げてきているのかを解説。続いて介護保険における柔道整復師の現状(※2)、地域支援事業と療養費との違い(※3)等の説明を行い、その後地域支援事業を取り入れた接骨院の経営モデルを紹介した。
経営面については地域支援事業を行っていくとどのような良い影響が出てくるのかという事を中心に、見込み患者(新規顧客)へのアプローチの重要性やその方法、地域支援事業を行うことによるメリット、この先の需要等についてわかりやすく説明が行われた。
また平成24年4月からできた介護予防・日常生活支援総合事業(※4)について〝これを現在実施している市町村はほとんどないと思われるが、5年先にはどこの市町村でも行われるだろう〟と述べた。他には、運動器の機能向上事業の現状ついて・介護保険におけるサービス事業・短時間型通所介護事業の立ち上げについて等の情報提供があった。