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この人に聞く!【東京有明医療大学・久米 信好 准教授】
以下, ICD-10について記載します. このコラムをご覧の先生方お一人お一人が, 自分の飯の種である「柔道整復術」についてお考えいただければ幸いです.
「疾病, 傷害および死因統計分類」(いわゆる国際疾病分類:ICD International Statistical Classification of Disease and Related Health Problems)は, 異なる国や地域から, 異なる時点で集計された死亡や疾病のデータの体系的な記録, 分析, 解釈および比較を行うために設けられた分類である. いわゆる臨床病名ではなく, あくまで統計のための分類であり, 活用することによって, 様々な臨床病名がICDの項目(現在のICD-10では, 22項目, 約14,000)に振り分けられている.
第1章:感染症および寄生虫症(A00-B99)
第2章:新生物(C00-D48)
第3章:血液および造血器の疾患ならびに免疫機構の障害(D50-D89)
第4章:内分泌、栄養および代謝疾患(E00-E90)
第5章:精神および行動の障害(F00-F99)
第6章:神経系の疾患(G00-G99)
第7章:眼および付属器の疾患(H00-H59)
第8章:耳および乳様突起の疾患(H60-H95)
第9章:循環器系の疾患(I00-I99)
第10章:呼吸器系の疾患(J00-J99)
第11章:消化器系の疾患(K00-K93)
第12章:皮膚および皮下組織の疾患(L00-L99)
第13章:筋骨格系および結合組織の疾患(M00-M99)
第14章:腎尿路生殖器系の疾患(N00-N99)
第15章:妊娠、分娩および産褥(O00-O99)
第16章:周産期に発生した病態(P00-P96)
第17章:先天奇形、変形および染色体異常(Q00-Q99)
第18章:症状、徴候および異常臨床所見・異常検査所見で他に分類されないもの
(R00-R99)
第19章:損傷、中毒およびその他の外因の影響(S00-T98)
第20章:傷病および死亡の外因(V01-Y98)
第21章:健康状態に影響をおよぼす要因および保健サービスの利用(Z00-Z99)
第22章:特殊目的用コード
この中でも柔道整復師の教育に大きく関係してくるものは、第13章の筋骨格系および結合組織の疾患であるため、その各項目がどのくらい現在の柔道整復の教育に該当するのかについて本学で調査を行っています. 大学では国際的視野を養わせることにも力を注ぎ, 日本伝統医療である「柔道整復術」を海外の医療関係者に伝えていけるような人材を育てていきたい・・・これが私の考えです.
●プロフィール
久米 信好
高等学校卒業後, 鍼灸・柔道整復を学び資格を取得する. 13年の修行中, 日本柔道整復接骨医学会の仕事を行う機会をいただき, 多くの先生方から学問について教えられる. 開業すると同時に国立大学機構埼玉大学へ通学した. その後, 韓国の龍仁大学大学院へ留学し修士課程を修了し修士の称号を得る.
現在は学校法人花田学園東京有明医療大学の教員と公益社団法人東京都柔道接骨師会の学術委員の仕事を行いながら, 博士論文を書くため奮闘中!