柔整ホットニュース

保険Q&A

「開設者」「施術管理者」の関係について教えてください。

2010/04/16

現在の「協定」「規程」の第1章 総則(受領委任の施術管理者)の4においては【施術所の開設者である者を受領委任に係る施術管理者とすること。開設者が柔道整復師でない場合又は開設者である柔道整復師が施術所で施術を行わない場合は、当該施術所に勤務する柔道整復師の中から開設者が選任した者を施術管理者とすること。】とある。

柔道整復に係る療養費受領委任の取扱いが始まった頃は、「開設者」「施術管理者」は同一の柔道整復師であり、現在のように柔道整復師でない「開設者」や柔道整復師であっても開設される施術所で施術を行わないということは「想定外」のことであったと推測される。現在は「オーナー」と称される開設者が何件もの施術所を持ち「勤務する柔道整復師」の中から「施術管理者」を選任している。

平成22年1月22日付け保発0122第2号により都道府県知事並びに地方厚生(支)局長宛てに厚生労働省保険局長より「柔道整復師の施術に係る療養費に関する審査委員会の設置及び指導監査について(通知)」の一部改正についてが通知された。

標記については、「柔道整復の施術に係る療養費の指導監査要綱」(平成11年10月20日老発第683号・保発第145号別添2。以下「要綱」という。)により取り扱われているところであるが、指導監査の適正を図るため、一部を下記のとおり改正し、平成22通知が行われ同日より適用されるようになった。

これまでの指導監査については柔道整復の施術に係る疑義などにより当該柔道整復師の出席のもと行われていた。必要な場合は当該施術所の開設者並びに従事者など関係者の出席は可能であったが要綱に明記されておらず強制力を持たなかったと推測される。今回、施術管理者でない開設者(いわゆるオーナー)や勤務する柔道整復師や受付などに従事する従業員も指導監査の場へ出席を求めることが出来ると明記された。また、必要に応じて患者等に事前調査を行ない当該調査に係る保険者にも協力をしなさいと明記された。

このことはチェーン化展開している接(整)骨院グループの開設者(オーナー)にも指導監査の場に出てきて疑義に関する事実関係を確認出来るということとなる。以前は施術管理者である柔道整復師だけが処罰され、いわゆるオーナー開設者には処罰が及ばなかったが事実関係の確認状況によっては連座責任を問えるようになったと考える。

もうひとつ不正や不当な請求を行った柔道整復師に対し、当該保険者が支払った療養費並びに患者が支払った一部負担金など返還すべき金額(請求時から原則として5年間を経過しないもの)を返還させる。受領委任の取扱いを辞退した場合や廃業した場合においてもそれらは返還すべきと明記された。