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柔整議連 柔整制度改正の要望内容を決定!

2012/06/01
柔道整復師制度改正の要望

平成24年5月31日

民主党・柔道整復師の業務を考える議員連盟
会長 中井洽

柔道整復師制度改正の要望
-柔道整復師が対応できる新しい保険給付制度の確立に向けて-

 柔道整復業は昭和22年、あん摩、はり、きゆう、柔道整復営業法として法制化された後、昭和45年に単独法となる柔道整復師法が分離制定され、その後の改正で国家試験制度の整備などが行われ今日に至る柔道整復師の独占業務であり、わが国の医療の一翼を担い広く国民の間で身近な整骨院として信頼されてきました。
 民主党・柔道整復師の業務を考える議員連盟は、時代の変化の中、国民医療とは何か、接骨院とは何か、業務の範囲はどこまでか、柔道整復師とはどのようなものかなど様々な点について整理し、新しい柔道整復師の業務のあり方を考えるため、本年4月有志により設立いたしました。
 政府では、今般、社会保障制度審議会での診療報酬改定の検討にあたり、柔道整復師の意見が反映されるよう専門委員に加えるなどの検討が進められているものと聞いております。こうした状況のもと、当議連として、その趣旨目的がより確実に実現されることを期待するとともに、柔道整復業の関わる中長期的な課題も併せ、下記の通り要望いたします。

1.
社会保障制度審議会の専門委員について
 多くの柔道整復師の意見を取り入れていただくため、社会保障制度審議会の専門委員として、柔道整復師で構成する複数の団体から複数の委員を選任していただきたい。

 

2.
療養費の増額について
 高齢社会が進む中で、柔道整復業へのニーズが高くなっている。わが国の診療報酬増額は着実に進んできたが、柔道整復業に関しても、療養費の増額もしっかりと行なっていただきたい。

 

3.
中長期的な検討課題について
以下の点について、中長期的課題として検討を進めていただきたい。
(1)
専門学校の増加とその研修内容について
 柔道整復師養成に関する専門学校の増加にともない、卒業生が増加している。これら専門学校の定数と国家試験の合格者数の適正数について、検討いただきたい。
 また、現行では、卒業後(合格後)すぐに開業することができるが、開業までの研修制度についても検討いただきたい。
(2)
部位数について
 保険請求に関する部位の複数請求について地域間で格差があり、行政刷新会議でも指摘されている。適正な部位数について、専門的なワーキングチームを設立するなどして検討いただきたい。
(3)
医行為の確認と療養費であることの矛盾の是正
 柔道整復師の業務は「医行為」であり「医業」です。医師による医業と区別しようとする際に非医業と表される場合が生じる中、まったくの非医業と表すことも誤りであることから、「類似行為」などと表されてきた。
 こうした変則的な業務制度のため一方では医業としての厳しい責任と使命を求められ、他方では医師による医業に比して必要以上に抑制的・限定的に扱われることとなり、柔道整復師と国民に誤解と混乱を招いてきた。
 療養費は医療の補完、即ち、直接の医療ではなく、間接的に医療を助けるものとされており、たとえば、コルセット・松葉杖・サポーターなどの治療装具と同じあつかいにとどまっている。
(4)
診断権と医療用語の統一
 柔道整復師は、視診・問診・触診・超音波検査などで患者の診断をしており、患者の立場からすれば、医師の診断も柔道整復師の診断も同じです。ところが、厚生労働省は柔道整復師は医師ではないから診断ではなく「検断」であるとしている。
 これら複雑な用語の使い分けは、患者に混乱を招くばかりであり、辞書上でもその違いが明確でありません。法律上独占業務が示されている隣接資格などの間において、例えば弁護士と司法書士、公認会計士と税理士、さらには、海技士と小型船舶操縦士などの間でも用語は共通であり混乱なく用いられていることからも、共通する用語や疾病名を統一して、現場と患者の混乱を回避することを早急に検討していただきたい。
【類似の用語使用例】
・「診察」と「検察」 ・「診断」と「検断」 ・「診療」と「検療」
・「初診」と「初検」 ・「再診」と「再検」 ・「往診」と「往療」
(5)
昭和11年から続いている協定の見直し(傷病名追加問題)
 柔道整復師の業務(治療)範囲は「骨折・脱臼・捻挫・打撲・挫傷」とされている。近年、時代の変化とともに当初は考えられていなかった病状、例えば「軽度でも腱鞘炎、頸肩腕症、変形性関節症をくり返すことによる傷病」が増えている。
 疾病名の追加について厚生労働省は、「腱鞘炎などの施術がその業務範囲に含まれるか否かについては、慎重に判断すべきものと考えている」と述べるに留まっている。現実に即した、適正表記が出来るよう、協定を見直し疾病名追加がされるよう対応されたい。
(6)
国家資格柔道整復師への社会的理解の醸成
 超高齢化社会において国民の健康を守ることは国の責務である。柔道整復師の施術は日本古来より確立され、患者に支持されている治療法の一つであることは疑いようがない事実である。しかし会計検査院の指摘、また無資格の治癒店舗が巷に溢れ過当競争に柔道整復師もさらされている社会情勢も見過ごすことは出来ない。
 柔道整復師の正当な評価を確立するために、社会的理解の醸成をお願いしたい。

 


 

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