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これだけは知っておいて!!

第106回   【柔道整復師と学会 そのⅣ】

2014/10/16

【―養成施設の教員の学会活動―】

明治国際医療大学   教授   長尾 淳彦

「柔道整復師」を養成する施設は「大学」と「養成校」があります。その数は100を超え教員数は2000名を超えます。

医療関係業種(医師・歯科医師・看護師など)における養成施設の教員の研究や臨床の成果はそれぞれの専門領域の学会やジャーナルで発表し議論され正論として認められます。

柔道整復師と学会 そのⅢ(9月16日)にも書きましたが、医師が加入するほとんどの学会が実質人員より多くの会員を擁しています。1人が複数の学会に入り、学術の研鑽をされていることを示しています。

就業柔道整復師の学会入会率は10%に満たない状況です。特に次の世代の若き柔道整復師を育てていく役割を担っている教員の学会入会率はいかがなものか?これは調査する必要のある項目です。

有能な柔道整復師を創出するために、我々教員は自己研鑽しなければなりません。一般常識のある大きな視点で物事をとらえ、成長を続け、自分たちの得たものを柔道整復教育を通じて学生に伝えることが大事です。

学生と共に少子高齢化の進む日本の医療・介護・福祉分野で柔道整復師がどのような役割を担うのかを各々の発表や講演の中で議論・検証できるのも学会の場です。

研究室や自身の研究成果を発表する場を持たない教員はどこでその検証をしているのでしょうか?自己満足で終わっているのでしょうか?

教員の所属学会をちゃんと把握している養成施設も少ないのではないでしょうか?

学会に所属していない教員は自ら勉強する気がないと宣言しているのだという全体の雰囲気を作り教員の自己研鑽を促すようにしなければならないと思う。

今後、柔道整復教育で、卒後教育の必要性がさらに深まります。学会が大きな役目を果たすと思います。

柔道整復師業界で唯一日本学術会議に登録されている「日本柔道整復接骨医学会」には、整復治療手技固定、物理療法、柔整鑑別診断、柔整・接骨史、画像解析、バイオメカニクス、社会医療の7つの分科委員会があります。この分科会以外でも年数回のジャーナルの発刊と全国各地で認定講習会を開催しています。

養成施設を卒業して国家資格を取得してからが本当の柔道整復師としての勉強が始まります。卒業生と共に、是非、学会を勉強の場として活用してください。

そして、学生の皆さん!皆さんの学校の先生に「学会に入っていますか?」と尋ねてみましょう。

「当たり前でしょ!」という答えを期待して。