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これだけは知っておいて!!

第104回   【柔道整復師と学会 そのⅡ】

2014/09/16

【―就業柔道整復師の学会参加について―】

明治国際医療大学   教授   長尾 淳彦

厚生労働省の平成24年保健・衛生行政業務報告によると就業柔道整復師は58,573人、施術所は42,431か所である。

1992年に設立された日本柔道整復接骨医学会は現在約6,000人の会員で就業柔道整復師の加入率は10%である。

日本医師会の会員は平成24年、165,650人でその内訳は開業医が84,051人、勤務医81,599人。日本医学会は107分科会、重複はあるが682,000人という累計会員数である。日本整形外科学会は約23,000人の会員。平成24年の診療科別医師数調査では20,480人が整形外科医師である。

医師が加入するほとんどの学会が実質人員より多くの会員を擁している。1人が複数の学会に入り、学術の研鑽をされていることを示している。

日本医学会の設立目的は「医学に関する科学および技術の研究促進を図り、医学および医療の水準の向上に寄与する」とある。

日本柔道整復接骨医学会の設立目的は「柔道整復接骨医学に関する学理及びその応用に関する研究発表並びに連絡、知識の提供等を行うことにより柔道整復接骨医学に関する進歩普及を図り、学術の発展に寄与する」とある。

東京大学の中原淳先生は学会の果たす社会的機能と役割は

1.
研究者同士のつながり、社会的相互作用の維持
2.
研究知見を実務への普及促進
3.
ピアレビューを通した論文査読と成果公開

こうした一連の活動を通して「公共に資すること」と言われています。

成熟した学会は、3.の質の高い研究成果をオーソライズしてパブリッシュしていくことを担っている。

例えば、「柔道整復」が国民にどの様に支持されているかを知るのは保健・衛生行政業務報告などの統計を見ることでもできるが、研究者が学会発表できる水準で調査研究されたデータをもとに議論すべきである。

療養費の支給基準の施術料金も、研究者がいろんな角度から調査研究して各々の項目の妥当な料金を算出したものをたたき台(資料)に話し合われるべきだと考える。

年に一回の学会の学術大会に参加して、特別講演や教育セミナー、そして、全国の様々な柔道整復師の発表、最新の医療機器の展示会を見て、治療に役立てていただきたい。

 

第23回日本柔道整復接骨医学会学術大会

会期:   平成26年11月29日(土)~30日(日)

会場:   東京都大田区南蒲田1-20-20
            大田区産業プラザPiO