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第102回 【柔道整復師の現状を考える(そのⅥ)】
【―柔道整復師法―】
明治国際医療大学 教授 長尾 淳彦
柔道整復師法(昭和45年4月14日法律第19号)
(緊急時における厚生労働大臣の事務執行)
- 第25条
- 第18条第1項の規定により都道府県知事の権限に属するものとされている事務は、緊急の必要があると厚生労働大臣が認める場合にあっては、厚生労働大臣又は都道府県知事が行うものとする。この場合においては、この法律の規定中都道府県知事に関する規定(当該事務に係るものに限る)は厚生労働大臣に関する規定として厚生労働大臣に適用があるものとする。
- 2
- 前項の場合において、厚生労働大臣又は都道府県知事が当該事務を行うときは、相互に密接な連携の下に行うものとする。
(権限の委任)
- 第25条
- の2
- この法律に規定する厚生労働大臣の権限は、厚生労働省令で定めるところにより、地方厚生局長に委任することができる。
- 2
- 前項の規定により地方厚生局長に委任された権限は、厚生労働省令で定めるところにより、地方厚生支局長に委任することができる。
(経過措置)
- 第25条
- の3
- この法律の規定に基づき命令を制定し、又は改廃する場合においては、その命令で、その制定又は改廃に伴い合理的に必要と判断される範囲内において、所要の経過措置(罰 則に関する経過措置を含む)を定めることができる。
第7章 罰則
- 第26条
- 第8条の7第1項(第13条の7において準用する場合を含む)の規定に違反した者は、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
- 第27条
- 第8条の13第2項(第13条の7において準用する場合を含む)の規定のよる登録事務又は試験事務の停止の命令に違反したときは、その違反行為をした指定登録機関又は指定試験機関の役員又は職員は、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
- 第28条
- 第11条第2項又は第13条の5の規定に違反して、不正の採点をした者は、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
- 第29条
- 次の各号のいずれかに該当する者は、50万円以下の罰金に処する。
- ①
- 第15条の規定に違反した者
- ②
- 第17条の2の規定に違反した者
- ③
- 虚偽又は不正の事実に基づいて免許を受けた者
- 2
- 前項第2号の罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。
- 第30条
- 次の各号のいずれかに該当する者は、30万円以下の罰金に処する。
- ①
- 第8条第1項の規定により業務の停止を命ぜられたもので、当該停止を命ぜられた期間中に、業務を行ったもの
- ②
- 第17条の規定に違反した者
- ③
- 第18条第1項の規定に基づく指示に違反した者
- ④
- 第22条の規定に基づく処分又は命令に違反した者
- ⑤
- 第24条の規定に違反したもの
- ⑥
- 第19条第1項又は第2項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者
- ⑦
- 第21条第1項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同 項の規定による職員の検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者
- 第31条
- 次の各号のいずれかに該当するときは、その違反行為をした指定登録機関又は指定試験機関の役員又は職員は、30万円以下の罰金に処する。
- ①
- 第8条の8(第13条の7において準用する場合を含む)の規定に違反して帳簿を備えず、帳簿に記載せず、若しくは帳簿に虚偽の記載をし、又は帳簿を保存しなかったとき。
- ②
- 第8条の10(第13条の7において準用する場合を含む)の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をしたとき。
- ③
- 第8条の11第1項(第13条の7において準用する場合を含む)の規定による立入若しくは検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、又は質問に対して陳述をせず、若しくは虚偽の 陳述をしたとき。
- ④
- 第8条の12(第13条の7において準用する場合を含む)の許可を受けないで登録事務又は試験事務の全部を廃止したとき。
- 第32条
- 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関して、第30条第4号から第7号までの違反行為をしたときは、行為者を罰する ほか、その法人又は人に対しても各本条の刑を科する。
罪刑法定主義
どのような行為をしたり、あるいはしなかったとき(不作為)に、どのような刑罰が科せられるのかがはっきりと示されていないと国民の人権は保障されない。犯罪とする行為を定め、刑罰を科す旨を定めた成文の法律がなければ、処罰することが出来ないとする原則を「罰刑法定主義」という。の原則から、刑罰が成分で定められたとき以前になされた行為に対しては、その刑罰が科せられないものとする「刑罰不遡及主義」(事後立法の禁止)などの原則が派生する。また、法律の委任がない限り、命令に罰則を設けることはできない。
現在、わが国で科せられている刑罰には死刑のほか身体を拘束する自由刑(懲役、禁錮、拘留)と金銭を略奪する財産刑(罰金、科料)とがある。
*懲役(刑法第12条)
刑事施設に拘置して所定の作業を行わせるもの、有期と無期とがあり有期は1カ月以上、20年以下で加重、軽減により上限30年、下限は1カ月未満にすることができる。
*禁錮(刑法第12条)
刑事施設に拘置するが、定役は科さない(請願により作業に従事することはできる)。懲役と同様に有期(1カ月以上20年以下)と無期とがあるが禁錮は過失犯や破廉恥的動機によらない犯罪に科されるのを原則とする。
*有期の懲役および禁錮の加減の限度(刑法第14条)
死刑または無期の懲役もしくは禁錮を減軽して有期の懲役または禁錮を加重する場合においては30年にまで上げることができ、これを減軽する場合において1カ月未満に下げることが出来る。
*拘留(刑法第16条)
1日以上30日未満の期間、刑事施設(通常は代用監獄として警察留置場)に拘置する。軽微な犯罪に科されるが、現状はあまり用いられていない。
注)勾留
罪証隠滅や逃亡などのおそれのある被疑者や被告人を刑事手続上、警察留置場に拘禁するもので、未決勾留ともいい、刑罰である拘留とは異なる。
*罰金(刑法第15条)
1万円以上とし、これを軽減する場合は、1万円未満に下げることが出来る。罰金を完納できない者は1日以上2年以下の期間、労役場に留置される(法第18条第1項)。
*科料(刑法第17条)
最も軽い刑罰で千円以上1万円未満とする。科料を完納できない者は1日以上30日以下の期間、労役場に留置される(法第18条第2項)。
*執行猶予(刑法第25条)
以前に禁錮以上の刑に処せられたことのないなどの一定の要件を備えている者が、3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金の言い渡しをうけたとき、情状により裁判が確定した日から1年以上5年以下の期間、刑の執行を猶予することができる。
注)
死刑、懲役、禁錮、罰金、拘留及び科料を主刑とし、没収を付加刑とする(刑法第9条)。なお、主刑の軽重はこの順序による(刑法第10条第1項前段)。
関係法規:
社団法人全国柔道整復学校協会監修。医歯薬出版.より抜粋、引用。