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第91回
【柔道整復師の受領委任の取扱いにおける「往療」について】

2014/03/01

明治国際医療大学   教授   長尾 淳彦

 

柔道整復師の受領委任の取扱いにおける「往療」について

最近、柔道整復師の受領委任の取扱いにおける「往療料」算定が非常に増えてきている。往療が必要とされる理由を摘要欄に記載しなければならないが、「患者の希望による」「高齢による」などの記載が多い。これは、真に安静を必要とするやむを得ない理由とはなりません。

今一度、「柔道整復師の施術に係る療養費の算定基準の実施上の留意事項」を読んでみよう。 そして、患者さんのために正しい往療を行い正しく請求しよう。

 

【関係通知】

○柔道整復師の施術に係る療養費の算定基準の実施上の留意事項等について

(平成25.4.24 保医発0424 1)

柔道整復師の施術に係る療養費の算定基準の実施上の留意事項

第1   通則

9
保険医療機関に入院中の患者の後療を医師から依頼された場合の施術は、当該保険医療機関に往療した場合、患者が施術所に出向いてきた場合のいずれであっても、支給対象としないこと。
(1)
施術所の表示する休日に往療した場合は、往療料に対する休日加算は算定できないこと。

 

第3   往療料

1
往療は、往療の必要がある場合に限り行うものであること。
2
往療料は、下肢の骨折又は不全骨折、股関節脱臼、腰部捻挫等による歩行困難等真に安静を必要とするやむを得ない理由により患家の求めに応じて患家に赴き施術を行った場合に算定できるものであり、単に患者の希望のみにより又は定期的若しくは計画的に患家に赴いて施術を行った場合には算定できないこと。
3
2戸以上の患家に対して引き続き往療を行った場合の往療順位第2位以下の患家に対する往療距離の計算は、柔道整復師の所在地を起点とせず、それぞれ先順位の患家の所在地を起点とするものであること。ただし、先順位の患家から次順位の患家へ行く途中で、その施術所を経由するときは、第2患家への往療距離は、その施術所からの距離で計算すること。この場合、往療距離の計算は、最短距離となるように計算すること。
4
往療の距離は施術所の所在地と患家の直線距離によって算定すること。
5
片道16kmを超える往療については、当該施術所からの往療を必要とする絶対的な理由がある場合に認められるものであるが、かかる理由がなく、患家の希望により16kmを超える往療をした場合の往療料は、全額患者負担とすること。
6
同一家屋内の2人目以降の患者を施術した場合の往療料は、別々に算定できないこと。
7
難路加算における難路とは、常識で判断されるもので、第三者に納得され得る程度のものでなければならないこと。
8
暴風雨雪加算における暴風雨又は暴風雪とは、気象警報の発せられているものに限られ、気象警報の発せられない場合は原則として認められないこと。

9    夜間加算については、以下によること。

(1)
夜間の取扱いについては、おおむね午後6時から翌日の午前6時まで、又は、午後7時から翌日午前7時までのように、12時間を標準として各都道府県において統一的に取り扱うこと。
(2)
後療往療の場合は算定できないこと。
10
往療に要した交通費については、患家の負担とすること。往療時に要したバス、タクシー、鉄道、船等の交通費は、その実費とすること。自転車、スクーター等の場合は、土地の慣例、当事者間の合議によるべきであるが、通例は交通費に該当しないこと。

 

その他

注1.
当該施術所が表示する施術時間以外の時間(休日を除く。)又は休日において初検を行った場合は、それぞれ所定金額に540円又は1560円を加算する。ただし、午後10時から午前6時までの間にあっての加算金額は3120円とする。
2.
初検時相談支援料は、初検時において、患者に対し、施術に伴う日常生活等で留意すべき事項等をきめ細やかに説明し、その旨施術録に記載した場合に算定する。
3.
往療距離が片道2キロメートルを超え8キロメートルまでの場合については、2キロメートル又はその端数を増すごとに、所定金額に800円を加算し、片道8キロメートルを超えた場合については、一律2400円を加算する。
4.
夜間、難路又は暴風雨時若しくは暴風雪時の往療については、所定金額(注3による加算金額を含む。)のそれぞれ100分の100に相当する金額を加算する。
5.
2戸以上の患家に対して引き続いて往療した場合の往療順位第2位以下の患家に対する往療距離の計算は、当該施術所の所在地を起点とせず、それぞれ先順位の患家の所在地を起点とする。