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第85回
【柔道整復師の施術の療養費の適正化への取組について】のお願い

2013/12/01

明治国際医療大学   教授   長尾 淳彦

平成25年11月22日厚生労働省保険局保険課から【柔道整復師の施術の療養費の適正化への取組について】のお願いという事務連絡が出された。

平成24年3月12日にいわゆる4課長通知が発出され、それに沿い、保険者が作成したパンフレットやリーフレットの一部に事実と異なる記載や行き過ぎた表現があったので保険者に対して「適正化の取組について」列記の点を注意してください.ということである。その内容に関して解説する。

 

(例1)
「外傷性の捻挫、打撲、挫傷と骨折・脱臼の応急処置(2回目以降は医師の同意が必要)は、健康保険適用となります。」との記載。

 

(例示に対する考え)
「柔道整復師の施術に係る療養費の算定基準の実施上の留意事項等について」(平成9年4月17日保険発57号厚生省保険局医療課長通知、最終改正;平成25年4月24日)において、「現に医師が診察中の骨折又は脱臼については、当該医師の同意が限られている場合のほかは、施術を行ってはならないこと。ただし、応急手当をする場合はこの限りではないこと」と定めており、応急手当をする場合の回数までは限定していません。

通常、応急手当は1回限りのものと考えられますが、医療機関が距離的に離れている場合や災害等の場合など、必ずしも1回とは限らないこともあります。

 

【著者解説】
柔道整復師の保険取扱いは療養費の支給基準に定められている算定方法にて行われている。しかし、その内容については厳密、詳細に決められてはいないし記載もされていない。上述されているように応急手当は必ずしも1回とは限らないが保険者の大半は1回と考えているようである。外科手術や投薬の出来ない柔道整復師の施術現場では、骨折や脱臼は、速やかに適切な整復固定を行わなくてはならない。適切な整復固定は、負傷者の痛みを劇的に取ってくれる。また、骨折や脱臼が医療機関の診療時間内に発生するとは限らない。早朝、深夜、休日の時もある。そのような時、整復固定がきちんと出来ているかの確認も必要である。保険者と要らぬトラブルにならないように摘要欄にその旨記載しておくことも柔道整復師側として必要なのかもしれない。

つづく