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これだけは知っておいて!!

第69回   【柔道整復師が皆で考え国に要望すべき問題】

2013/04/01

1、昭和11年から続いている協定の見直し(傷病(負傷)名問題)

柔道整復師法に傷病(負傷)名が全く記載されていないにも関わらず、療養費の支給基準での柔道整復師の業務範囲は「骨折・脱臼・捻挫・打撲・挫傷」の5つの傷病名に限定されてきました。

しかし、時代(生活様式など)の変化とともに起因や病態も変化します。ところが協定の部分が昭和11年から77年間、業務制限の部分が昭和45年から42年間変わることも変えることもなく残っています。制度疲労ともいうべき事態に陥っています。

保険請求のために単に傷病(負傷)名を変えるという短絡的なものでなく「柔道整復師法」の業務制限(第4章「業務」第15条・第16条・第17条)と現状に照らし合わせて柔道整復師の「業務範囲」を決めていくことが必要であると考えます。

「現実に即した適正表記」が出来る程度にまで協定の見直し、傷病(負傷)名改訂を要望いたします。

 

2、医行為であることの確認

柔道整復師の業務は「医行為」であり「医業」であるにも関わらず、国は医師による医業と区別するために「医業類似行為」などと表記してきました。こうした変則的な業務制度に分類されてきたため、一方では医業としての厳しい責任と使命を求められ、他方では医師による医業と比して必要以上に抑制的・限定的に扱われることとなり、柔道整復師自身と国民一般に誤解と混乱を招いてきました。

療養費とは「医療の補完」すなわち、直接の医療ではなく間接的に医療を助けるものとされており、柔道整復師の行う骨折や捻挫などの応急治療がコルセットや松葉杖、サポーターなどの装具と同じ扱いとなっています。

柔道整復師の施術は医行為であるという明確な公報を要望いたします。

 

3.診断権と医療(学)用語の統一

柔道整復師は、視診・問診・触診・超音波観察検査などで患者の様相を診て傷病(負傷)名を決めます。傷病(負傷)名は治療の指針であり、これが診断です。患者の立場からすれば医師の診断も柔道整復師の診断も同じです。「骨折」は「骨折」、「捻挫」は「捻挫」です。ところが国は「柔道整復師は医師ではない」から「診断」ではなく「判断」とか「初診」を「初検」、「往診」を「往療」であるとしています。「診」は医師のものである.という考えです。このような複雑な用語の使い分けは患者に混乱を招くばかりであり、その違いは一般の国民には区別不能です。

法律上、業務が明示されている隣接資格など、例えば「弁護士」と「司法書士」、「公認会計士」と「税理士」さらには「海技士」と「小型船舶操縦士」等の間でも用語は共通であり混乱なく用いられています。

医師と柔道整復師の間で共通する用語や傷病(負傷)名を統一して現場と患者の混乱を回避することを早急に望みます。