柔整ホットニュース

これだけは知っておいて!!

第58回   【保険者の調査票・照会票への対応】

2012/10/16

平成24年3月12日付の厚生労働省から保険者への通知発令から、接骨院に通う患者さんに対しての調査や照会が急増しています。

その調査票や照会票と一緒に同封されているパンフレットには「柔道整復師は医師ではありません!!」「接骨院は病院ではありません!!」などと本来、被保険者(患者さん)の健康を守るべき良識ある保険者組織が書く文章とは信じがたい職業差別とも受け取られる文章が並べられています。被保険者(患者さん)は、柔道整復師は医師でないことも接骨院は病院でないことも十分ご存知です。就業柔道整復師全員がこのような失礼な文章を被保険者(患者さん)に送る保険者組織に断固抗議すべきであると考えます。

また、「支給申請書への白紙委任はやめましょう!!」とか「一部負担金の金額に間違いありませんか?」などの文章もみられます。

このことに抗議するには柔道整復師が制度と現状を正しく理解していなければなりません。一番大切にすべき患者さんにも不信、不安を与えないようにすべきです。

月初めの支給申請書署名の現制度での正当性、一部負担金徴収方法など柔道整復師が患者さんに正しく説明しておけば、患者さんは安心して接骨院に通えます。この説明責任は柔道整復師の義務です。

下記に院内掲示の一例を示しました。柔道整復師自身が十分理解して、活用していただければ幸いです。

 

患者様へ

 

月始めの支給申請書への患者さん署名は白紙委任ではありません

保険者からの調査票には「療養費支給申請書に記載されている内容を必ず確認してから署名するように!!」との記述がありますが柔道整復療養費受領委任に係る署名の解釈は、患者さんがその治療を受けた時に行うものであると厚生労働省のホームページでも紹介されており、「支給申請書がすべて作成された時点で署名すること」とは、地方厚生局長、都道府県知事と柔道整復師とで結ばれている協定書などにも療養費の算定基準にも一切記載されておりません。

療養費の算定基準・支給対象には「各保険者から受領委任にかかる委任をうけた地方厚生局長及び都道府県知事と(社)都道府県柔道整復師会(柔道整復師)との間で行われている協定に基づき被保険者(患者さん)は施術者(接骨院)に対し直接、治療費全額を支払う代わりに被保険者(患者さん)がうけるべき療養費の受領を施術者(接骨院)に委任する取り扱いが従来から一般的に行われている。」(その委任のために支給申請書にサインをいただきます。)「従ってこの協定を結んでいる保険者に属する被保険者(患者さん)等はその協定・契約の相手先である柔道整復師については一般の保険医療機関(病院等)に受診する場合と同様の形でその施術を受けることができる。」とあります。

このことから施術者(接骨院)は支給申請書への患者さん署名を当該月の初回施術日に行ってもらい推定的同意を得たことにより施術行為から算定・請求作業等を包括して行っています。

( )=著者加筆

 

窓口徴収での10円未満は四捨五入しております

柔道整復師の施術に係る算定基準の実施上の留意事項の 「第7一部負担金」には

施術所の窓口での事務の負担軽減を考慮し、患者が一部負担金を支払う場合の10円未満の金額については四捨五入の取扱いとすること。

また、施術所の窓口においては、10円未満の四捨五入を行う旨の掲示を行うことにより被保険者等との間に混乱のないようにすること。

なお、保険者又は市町村(特別区を含む)が支給する療養費又は医療費の額は10円未満の四捨五入を行わない額であること。

とあります。

保険者からの調査票や照会票記載の一部負担金は1円単位になっておりますが上記の取決めに従っておりますので当院では1円単位の徴収はありません。

なお、テーピングや包帯交換等の材料費は保険適用外ですので実費を徴収しております。