柔整ホットニュース
これだけは知っておいて!!
第44回 【柔整八策 ― そのⅡ】
「申請書への患者署名」の説明責任
支給申請書における患者さんの自署について具体的な記載(請求の内容)をする以前に署名を行うので「白紙委任」と各方面から批判を受けている。
何故、柔道整復療養費には署名が必要かの患者さん(国民)への説明は「初検時相談支援料」算定時に「受領委任の取扱いについての説明」として行っている。このような実際行っている業務を正しく保険者などに広く理解してもらう努力が業界には必要である。
平成19年10月2日付で民主党 辻泰弘参議院議員提出の質問主意書と政府答弁をご存知ですか?支給申請書への患者さんの自署についてと受領委任払い制度についての質問です。数年前のことですが国がどのように考えているかを知ることが大切です。
【質問】
柔道整復師が患者に対して、支給申請書に具体的な記載をする以前に署名を求める.いわゆる「支給申請書の白紙委任」問題について、政府の把握状況を示されたい。また、この白紙委任が不正請求の温存になっていると考えるが、この問題についての政府の具体的な対応方針を示されたい。
【答弁】
療養費の支給については、患者から施術者への受領委任(保険者と柔道整復師により構成される団体又は柔道整復師との間で契約を締結するとともに、被保険者が療養費の受領を当該契約に係る柔道整復師に委任することをいう.以下同じ。)の制度が認められており、柔道整復師の施術所がその申請書を作成するのが一般的である。当該申請書については、療養費は1カ月を単位として請求されるものであり、当月の最後の施術の際に患者が1カ月の分の施術内容を確認した上で署名を行い、これを作成することが原則であるが、柔道整復師の施術所への来所が患者により一方的に中止される場合があること等から、患者が来所した月の初めに署名を行い、当該申請書を作成する場合もあることは、厚生労働省としても承知している。
厚生労働省としては、受領委任の制度については、患者が施術に係る費用の負担を心配することなく、その傷病に対する手当等を迅速に利用することを可能とする趣旨から認めているものであり、今後とも必要な制度と考えている。今後とも、その適切な運用について、関係者に対する周知に努めてまいりたい。
【質問】
柔道整復師の療養費の受領委任払いは、かつて整形外科医が大きく不足していた時代に患者の治療を受ける機会の確保等の患者保護のため特例的に認められたものである。しかし、公的医療保険の財政危機が叫ばれ、医療制度の在り方が大きく論じられる現在、国民が安心できる医療提供体制の継続のためには、療養費の受領委任払い制度そのものの見直しが必要だと思われるが、政府の見解を示されたい。
【答弁】
先の質問について述べたとおり、厚生労働省としては、受領委任払い制度については、患者が施術に係る費用の負担を心配することなく、その傷病に対する手当等を迅速に利用することを可能とする趣旨から認めているものであり、今後とも必要な制度と考えていることから、それ自体の見直しを行うことは考えていない。
【著者】
数年間に一度はこのような「受領委任払い制度」の見直し論が出てくる。患者である国民のために必要な制度であるということは皆分かっているがその運用方法が問題となっている。業界内から透明性があり有効的な運用方法を提議して問題を是正していかなければならない。柔整八策そのⅠで記した「質の保証」のなかにこの説明責任も含まれる。このような質問が何回も繰り返されているということは「説明責任」が果たされていないことである。