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スペシャルインタビュー:(株)永愛 代表  豊嶋良一氏

2015/01/07

高齢化が急速に進み、病院完結型から地域完結型へ医療体制の転換が求められている。近年は、地域に密着する職種として介護の現場でも活躍する柔道整復師も増えつつある。今回は(公社)宮城県柔道整復師会名誉会長であり、自身もデイサービスを運営している豊嶋良一氏に、柔道整復師が介護事業に参入する道筋とデイサービスを開設する意義についてお話を伺った。

豊嶋良一

(株)永愛
杜の院デイサービスセンター
オークの森デイサービス
代表 豊嶋良一 氏

 

―夫々のデイサービスについて開設された時期と利用者人数を教えてください。要支援と要介護の人数構成についてもお聞かせください。

平成20年9月、仙台で接骨院と隣接した形でデイサービスを開設しました。午前午後に分かれての10人定員の小規模の通所介護施設です。その翌年4月に大崎古川にデイサービスを開設(定員22人)、平成26年4月1日利用者様人数増加(定員30人)により施設移転し現在に至ります。古川のデイサービスに関しては、現在総利用者数96人(内 要介護者68人、要支援者 28 人)です。

 

―利用者さん重視、利用者さんの願いに叶ったサービスの提供をされていらっしゃるのでしょうか?それとも柔整師の先生の医療技術を活かしたサービスの提供を行うことで予防重視と体力の維持を目標にされているのでしょうか?

利用者様本意のサービス提供を中心に行っており、1ヶ月の日程を作成する際も創作活動、レク等は利用者様に要望をお聞きしながら、メニューを取り入れるようにしております。又、柔道整復師が機能訓練指導員を担当しており利用者様一人一人に合った訓練等を行っています。

 

―要支援等の軽い方たちが来年度から市町村の事業に移行することになっていますが、これについてどのようにお考えですか?

市町村側に一任することで業務が増加し、受け入れ等サービスの質が落ちる可能性があるのではないかと思います。また、各事業所との連携を重要視しなければ統制が取れなくなると思います。いずれにせよ移行するにはかなり時間がかかるのではないかと思います。

 

―平成27年度の改正で、柔道整復師の方々が運営されている通所介護施設に関連することとして
・通所介護の小規模型は、地域密着型デイサービスとして定員が18名以下となる。
・介護予防通所介護は予防給付から介護予防、日常生活支援総合事業となる。
という2つが言われておりますが、それらについてどのような対応が望まれますか?

現段階でいくつかの小規模デイサービスを運営している施設(法人)があれば大規模、通常規模へサテライト化が増加していく可能性があります。地域密着になれば範囲が限定されたり介護報酬も減算される為、小規模デイは今後厳しくなると思います。

 

―復興特区の1つに宮城県は指定されています。従って今後の医療と介護のモデルになる県です。それに基づいた動きというのは、(公社)宮城県柔道整復師会において、どのような対応をされているかについて教えてください。

医療、介護総合法案に掲げられている、医療介護連携、在宅医療の推進は、被災地における医療、介護人材の偏在を解消するための施策として宮城県も大いに期待しているところです。当会としては、歯科医師、薬剤師、看護師、栄養士会、などの専門職種ならびに行政と連携を図りながら、(医師、療法士との連携も模索中)2025年問題と復興支援に対する好事例を、全国に発信するために精力的に活動させていただいております。

介護予防の初期支援、復興支援、認知症初期支援や市民の健康長寿に対するリテラシー向上のための市県民公開講座を、学会開催を通じて定期的に活動しております。
復興特区として期待されている宮城県でありますが、着実に出来ることから、地域の和を大切に、共助を活発化させるための支援も、公益事業の一環として推進しております。
我々柔道整復師は医療提供者(注1)として、医療と介護の現場をつなぐ専門職であり、柔道整復療養費制度、介護保険制度で活躍する環境があります。
(注1:部分医療従事者:骨折、脱臼、捻挫、挫傷、打撲ならびに急性、亜急性外傷の運動器疾患に対する保存療法を業とし、早期発見、早期回復、早期社会復帰を地域医療の中で支援していく専門職)

当会は、地域医療を支える専門職として、柔道整復師の専門性を高める学術的研鑽を推進すると同時に、予防医学、介護予防の分野から医療費削減に寄与することで、国民の健康長寿をさらに伸ばし、地域での生活を長く継続できるための社会福祉支援団体として活動していく方針です。

 

―現在、柔道整復師の先生が個人で介護事業に参入されている方はどの県にもいらっしゃると思いますが、宮城県の場合は組織として取り組まれていると思います。2025年までに構築されようとしている地域包括ケアシステムにどういった形で参入されていくのか?その道筋を示唆していただきたくお願いします。

宮城県では独自の地域包括ケアモデルを構築することを目指しています。
一つは、市町村によって地域偏在があり、医療提供者、病院、施設の一極化、都市型では病院完結型が定着していましたが、在宅医療を推進する医師会、在宅生活を全面的に支援する方針の薬剤師会、看護協会、歯科医師会、栄養士会と共に新たなモデル構築に向けて議論させていただいております。市町村単位で行われていく地域ケア会議においても、今後、公益社団として全面的に協力していく意思を担当行政に伝えております。従来の通院型の医療から訪問型の医療に変化している現在において、地域高齢者が元気に生活できる支援、認知症になっても安心して生活できる支援を私たち柔道整復師も一つの社会資源として貢献していく予定です。政令指定都市、仙台市において、当会も多職種と連携している新たなプロジェクトがあり、現段階で具体的には報告できませんが、一つの形「モデル」になりましたら情報提供をさせていただこうと思っております。

 

―デイサービス施設内での機能訓練指導と訪問機能訓練サービスの違いについて教えてください。

デイサービス内での施設機能訓練は、集団の中で訓練を行うことにより他者と共感し意識することで向上心を促すことが出来ると思います。訪問機能訓練は、通所などが困難な方を対象に行うことが多いので利用者様の生活環境も考慮しながら行えると思います。

 

―多くのデイサービスがある中で柔道整復師がデイサービスを開くことの意義についてお聞かせください。

機能訓練等の専門性を備えた部分での運営が可能で、地域にこれから柔道整復師という職種を周知していただく事ができると思います。

最後になりますが、介護事業は一般の法人(会社)が経営することができます。しかしその為の法的な規則は接骨院経営の比ではありません。 また、利用者様は運動器や脳の障害を持った方々ですので、けがを対象とする接骨院の患者様とは違い、施設としては大きなリスクと常に隣り合わせです。職員においても3K以上の辛さが重なりますので定着率も低いのが現状です。
しかし我々柔道整復師の職域拡大のひとつの選択肢として接骨院と併設で介護事業に取り組む事は意義深いことと考えます。

 

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