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柔道整復師と介護福祉【第21回:在宅医療の現場概要】

2016/07/16

在宅介護においては、高齢者が何らかの病気の治療を受けながら、同時に家族の介護を受けているのが普通のはずです。そして、本人の状態や体調が悪化したときはあわてて病院へ連れていく、ということになりがちですが、医師に自宅に診察にきてもらう「在宅医療」については、どれくらいご存知でしょうか?

 

1、在宅介護を支える家族への普及

国が「在宅医療の推進」に力をいれているにもかかわらず、在宅介護に追われる家族の多くはその中身をよく知らないというのが現状のようです。
「在宅医療」とは、通院が困難な患者の自宅に医師が訪問して、医療サービスを提供するものです。在宅医療は、医師が計画的に訪問して医療を行う「訪問診療」と、臨時に医療サービスを提供する「往診」の二種類があります。

一般的には、動けない患者の状態が悪化したときだけ急いでお医者さんを自宅に呼ぶようなイメージが強いですが、これは「往診」で、「訪問診療」と区別されています。

 

2、これからの在宅医療の問題点
  • 私たちは、在宅医療については、あらかじめ「月4回、毎週×曜日」のように往診する日を決めて行うハード面「訪問診療のシステム」と、ソフト面「医療提供の質」を中心に、考えていく必要があります。
  • 日本では、専門設備の整った病院で治療することで、はじめて高水準の医療が受けられるようになっています。病院で行われている、治療レベルの絶対的水準という点では、現在の在宅医療は病院治療にとうてい及ぶものではありません。

 

3、在宅医療を支える医師の課題

在宅医療を担当する医師は、休日・夜間の電話対応、往診対応の負担は非常に大きいです。24時間365日拘束され、旅行や学会に行けず、精神的ストレスを感じている医師も少なくありません。

今後ますます在宅医療ニーズが高まる社会的環境の中で、一人あたりのドクターの限界値をもっと広げなければドクターの負担は増え続ける一方となってしまいます。

 

4、介護従事者の課題

患者様に対して医療や介護サービスを向上させる、より良い環境を整えるためには、多職種間での活発な情報共有が求められます。

しかし、現状、医療・介護の現場では、職員が忙しすぎて情報共有が必要最低限しか行われていません。また、1人の患者様に対して、医師、薬剤師・ヘルパー等多くの事業者が関わるため、情報の連携が取り難く、横断的な情報共有が難しいのが現状です。

 

5、患者本人、家族の課題

介護者(ご家族)だけで夜間看護を対応するのは非常に不安なものです。困った時に、誰に電話をすれば良いかが、明確に判断出来ないために、その不安が大きくなっているとも言えます。また、休日・夜間でも電話可能とあるが、遠慮して連絡できないという声も多く上がっています。

患者、家族の不安を払しょくするためにも医師からのムンテラのみならずインフォームドコンセント(IC)が非常に需要であることがうかがえます。

ムンテラは、MundTherapyの略で、直訳で口の治療、つまり患者や家族を言いくるめるという意味から来ています。
日本では病状説明のこととして、ムンテラという言葉を使用していますが、欧米ではあまり良い意味としてはとらえられておらず、ムンテラという言葉の代わりに、Patient Education=患者教育という言葉が多く使用されています。

 

6、在宅医療で実施される検査
  • 血液生化学などの検体検査(POCT検査)

  • 経皮的酸素飽和度測定装置(SPO・EtCO2)

  • レントゲン検査(X線照射装置)

  • 携帯型超音波装置

  • 心電図検査装置

  • 細径内視鏡

事例1:熱発の原因診断

POCT検査で確定診断できないケースで、腹部超音波検査により、膀胱の緊満、軽度水腎症確認。導尿後キノロン投与。尿培養からキノロン感受性大腸菌検出。

 

事例2:喘息と心不全の鑑別診断

超音波検査で両上肺野に強いBライン検出。POCT検査によるトロポニン陰性と判明。心不全の急性増悪による呼吸不全と診断し利尿薬投与、在宅酸素療法導入。3日後喘息消失、SpO296%(room air)。

 

事例3:誤嚥性肺炎診断

細径内視鏡を用いた、嚥下機能検査を施行。喉頭蓋谷部に食物遺残と喉頭侵入を認める。 歯科による嚥下リハならびに口腔ケア、嚥下調整食導入。呼吸器感染頻度軽減する。

 

 

 
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