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スペシャルインタビュー: 松戸市長・本郷谷 健次 氏

2014/10/01

現在、特養の入居待ちが約52万人。うち要介護5が約10万人。2025年までに地域包括ケアシステムの構築が進められる中、在宅介護を支援するサービスは、どのように進んでいくのであろうか?1969年、〝市役所とは『市民に役立つ所・市民にとって役に立つ人がいる所』〟をモットーに、日本初の即応部門「すぐやる課」を設置したことで全国的にあまりにも有名な松戸市。

その松戸市の本郷谷市長に今後の高齢化社会をどのように支え維持していくべきかについて崇高な理念等を話して頂いた。

地域包括ケアシステムを構築していく上で、人材不足は確実であり、柔整の方達の参加が望まれます!
大西健介議員

松戸市長
本郷谷健次 氏

 

―日本の社会保障制度について本郷谷市長のお考えをお聞かせください。

やはり国民が安心して生活していくためには、社会保障制度がしっかりしていないと国の土台が崩れてしまいます。年金、健康保険、介護保険は大変重要な制度です。現在の日本の社会保障制度が良いかという議論もありますが、歴史的な経緯もあり、またいろんな問題もあるとは思います。

しかしながらこれから10年20年高齢化社会という大変大きな国家的課題を背負っている我々にとっては、現制度を根本的に変えてどうこうするということを今から議論していたのでは、遅きに失してしまいます。何故なら議論してから動き出すまでに長い時間を要しますから、当面の10年20年を考えた時には、現行の制度をどうやって運用していくのかということを前提に考えざるを得ないということなんですね。

つまり、良い悪いという議論をしている場合ではないと思っています。もっと先の50年を今からどうやってやるかといった議論はあっても良いとは思いますが…。とりあえず市民の一番近いところに居る者として、今後どうやって今の制度を如何に上手く活用するか、修正も含めて行っていくのかということが一番大きなテーマであると考えております。

 

―人口減少社会に突入しました。超高齢化の進展に対する松戸市の取組みを教えてください。

現在の松戸市の人口は約48万人です。高齢化は松戸市も大きく進んでおりまして、65歳以上の方が今20%を超えています。しかも今約4万8千人居らっしゃる75歳以上の方が10年位先には約8万人になると予想されており、大変な比率になってしまいます。

しかし、高齢者の増加を活力の低下と捉えるのではなく、地域の特性や年齢構成なども考慮にいれながら高齢者が住みなれた地域で自立した生活が営めるような施策にも取り組んで参りたいと思っています。こういった取り組みを進めることにより、単に人口規模の維持拡大を追求するだけではなく、市民の皆さまが生き生きとした生活を送ることができる成熟した社会の実現を目指しています。

基本的な考えとしては、今住んでいる人たちが安心して年を重ねていける社会をどのようにして作っていくかということなんですが、中でも一番大きな問題は、やはり医療・介護施策だと思っております。医療であれば急性期の大きな病院から中小病院、個人病院に至るまで在宅医療の支援体制をどうやって作り上げていくか。介護であれば特養等の大きな施設と老健施設、グループホームなどの在宅介護の支援体制をどうやって夫々作り上げていくか、この2つが大きなテーマです。なにしろ何万人という規模になると、個別に対応していくことは非常に困難を極めます。高齢者の問題というのは、地域でお互いに助け合う仕組みを作り上げることです。医療・介護・在宅のための助け合い、元気になっていただくためのスポーツであるとか、災害が起きた時の助け合いだとか、地域での助け合いの仕組みがベースにないと医療・介護・在宅の制度を早めに作っても中々上手く機能しないだろうと思っているんですよ。

従って高齢者の問題は医療・介護の体制をしっかりすることと弱っている地域力をもう一回どうやって強化するかという全体の底上げをしなければ、この何万人という方たちが高齢者になってきた社会というのは支えきれないと思っています。最早、施設をいくら作っても足りないでしょうし、その先の将来のことを考えても施設や病院に頼るというのは、限界があります。75歳以上が8万人になる松戸市を考えても、またこれは松戸市だけではなくどの町でも多かれ少なかれそんな状況になる訳ですから。結局、日常的な生活支援を含めて、ご高齢の方々が健康で安心して暮らせるように様々な生活支援・医療支援・介護支援、身心の状態から、移動や食事等、また経済的な問題や複合的な問題等、そういうことからも施設というハードだけではもう無理でしょう。繰り返しになりますが、社会全体で支え合う仕組みを作り上げていくことが物凄く重要であると思っています。

 

―少子化対策についてもお聞かせください。

松戸市の場合は、東京に近いということもあって、松戸に若い人が転入されてきます。こちらで子育てして、子供が育って巣立っていくというのが松戸市の構図になっており、年間約2万5千人の人が出たり入ったりしている状況です。

少子化対策については、将来町を支える子供たちですから、やはりもっともっと増えていってほしい。子育て世代の方たちが松戸に来ていただくために子育てしやすい環境を作りあげていくということで、保育園・幼稚園を含めて、教育環境、文化的環境を充実させるよう魅力的な町づくりを考えています。

また待機児童についても力を入れておりまして、6月1日現在で待機児童数は5名でした。殆ど居ないとも言える状況ですが、ただしこれは国の基準なので、実際に入りたいという人たちが全て入れる訳ではないんですね。保育園の制度というのは、国の制度で福祉のための施策という位置づけなので、既に仕事を持っているという基準や要件がありますから、それをクリアしたということで言えばほぼゼロに近いんですが、結局潜在的な需要といいますか、例えば今子育て中だけど、秋には仕事をしたいと望んでいても預ける所がなければ何時になっても就労は困難です。いま松戸市で潜在的な待機児童数は5・6百人居るんじゃないかと見込まれています。

そこで松戸市の施策としては国の基準とは別に、保育園の入所を希望する人はみんな入れるように、この1・2年の間に、次のステップとしてその体制を作ろうということで一生懸命取り組んでいるところで、具体的には小規模保育事業所の整備を進めています。新年度においても3ヶ所の小規模保育事業所の整備を図ります。教育施策につきましては、児童生徒などの安全性の確保、震災時の収容避難所などの応急活動拠点としても重要な役割を担う学校施設ですので、安全で安心な学校づくりに向け、小学校及び中学校の校舎耐震改修工事などの施設の整備を引き続き実施します。

他には、児童虐待への対応として、1歳6か月児健診、3歳児健診の未受診世帯を対象に家庭訪問を実施、子育て環境の確認を行うとともに、家庭相談員・母子自立支援員・婦人相談員を増員することにより虐待の早期発見と対応の充実を図ります。生活保護被保護世帯の児童に対し、学習支援及び安心できる居場所を提供し、基礎学力を向上させる支援などにより「貧困の連鎖」の防止を図る取り組みを実施します。

新たな取り組みとして、自殺予防対策である国の「地域自殺対策緊急強化基金」を活用し、パソコン・携帯電話でストレス度などが気軽にチェックできるメンタルヘルスチェックシステム「心の体温計」を導入し、心の健康の保持に努めます。

医療費の補助を中学3年生まで行っておりますし、15歳~39歳までの若者の職業的自立を支援するため、就職に向けたスキルアッププログラム等、就職や進学に向けた支援を行います。専門のキャリアカウンセラーが若者支援の経験とノウハウを生かしてサポートしています。あと子育てコーディネーター制度といって、市が子育てに関する相談員を一生懸命育成し市の施設等に配置、或いはいろんな場所にその方たちが出向いて行って、お母さん達の相談に乗っています。今のところは学校に行く前の小さいお子さんを対象にしていますが、もっと拡充していかなければと思っております。

やはり、大きな建物作ったりするなどハードだけではなく、ソフトが重要だと思っています。子育て環境がしっかりしているということで、松戸市は子育て支援の盛んな町として全国2位という評価を受けております。

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