menu

日整・工藤会長と全整連・田中会長が柔整師の未来を語る

2013/11/20

近藤:

この業界は我々ひとりひとりが作っており、またこれからの未来も我々ひとりひとりが作っていく。しかし業界のエビデンス、核になるところには知識者の力が必要である。人づくりが新しい未来への施策になるという力強い言葉をいただいた。ただ我々の業務を日常に見ていくと、変形のおじいちゃんやおばあちゃんが捻挫する。変形だって捻挫はあるが、しかし整形に行くと変形性関節症となり、不正ではないかと言われ非常に不本意である。傷病の問題や国民のニーズに応じた療養費の業務範囲の問題について、田中会長に意見をお願いしたい。

 

田中:

療養費というのは医療の補完である。医療を助けるコルセットや松葉杖、サポーターと柔道整復師は同じ扱いになっている。しかし柔道整復師の業務とは骨折、脱臼、打撲、捻挫、挫傷、まさしく医行為そのものではないか。だが厚生労働省は柔道整復師の行為を医行為として認めていない。だから医療を助ける療養費となる。医療ではないから診断権がないと言うが、柔道整復師も患者さんの様子を診ながら問診、視診、触診をして傷病名を決めている。傷病名を決めるということは治療の指針であり、総称してそれを診断ということになる。柔道整復師にはそういう権利はないと厚生労働省は言っているが、裁判の結果では柔道整復師の行為は医行為であると言われている。それでも厚生労働省は認めていない。この根本の部分を何とかしたい。お医者さんがやっているのは療養の給付で、柔道整復師は療養費。だが柔道整復師が実際にやっている行為が医行為であるならば、お医者さんと同列の療養の給付というずうずうしいことは言わないが、療養の給付でもなく療養費でもない、国民が柔道整復師にかかりやすいような柔道整復師に合った給付制度を新設して欲しいというのが私達の想いである。

 

近藤:

これから行政や保険者との将来的な関係はどのように構築していくべきだと考えているか?

 

工藤:

やはり保険者、行政、柔道整復師、そして患者さんのこの4者もいかにして信頼関係を築くかが重要である。この信頼が取り戻せれば、今、田中会長が仰ったことも当然柔道整復師には良い結果が出ると思っている。それには日本柔道整復師会、全国柔道整復師連合会だけでなく、すべての柔道整復師がまとまり、ひとつの新しい組織体を作り上げていき、そして行政、保険者、患者さんに我々のエビデンスをしっかり伝えていく。そうすることによってこの業界は間違いなく再浮上すると思っている。

 

近藤:

残り時間が少なくなってきたが、柔道整復師の未来について田中会長に話をお願いしたい。

 

田中:

業界がバラバラでは駄目である。みんなで同じ方向を向かなければならない。工藤会長から新しい協定を結び直す準備に入っているという話があったが、これを連合会としても一生懸命応援していきたいと思う。連合会に所属していない先生方には是非連合会に参加をしていただき、これから業界一本化を進めていきたいと思う。よろしくお願い致します。

 

近藤:

是非、日本柔道整復師会に入るなり、全国柔道整復師連合会に入るなりしていただきたい。どこにも所属していないと何の連絡もいかず何の情報伝達もできない。ひいては業界がまとまらず何もできない。こういう状態から何としても脱却をしようではないか。最後に工藤会長にも柔道整復師の未来について話をお伺いしたい。

 

工藤:

本日初めて私が日本柔道整復師会の代表としてここに来た。これも第一歩である。これが未来に繋がっていると私は思っている。そして私はそのきっかけが、皆さんもご承知の2020年のオリンピックだと思っている。我が業界の技術というのはWHOをはじめ世界に認められている技術であるが、この技術は今途上国に対して非常に必要とされている技術であり、モンゴル国、ミクロネシアの他、韓国やミャンマーなどにも技術を発信している。カンボジアにおいても皆さんの先輩が柔道整復術を広めるために、伝統医療の人達にこの技術を提供している。オリンピックをきっかけに柔道整復術を世界に発信しながら、どのように日本国で必要とされるようにするか。個人や団体に関係なく皆で一緒に、世界で認められたこの技術を広めるきっかけがオリンピックだと思っている。皆がこの技術を世界の人達に提供するようなスキームを必ず日本柔道整復師会が作り上げる。是非ともご協力いただきたい。

 

近藤:

みんなで2020年のオリンピック選手をケアしよう。是非業界を一本化したい。ただ業界の未来を作るのは私達ひとりひとりである。是非ひとりひとりしっかりと地に足を付けて新しい未来を築いていこう。

 

こうして約40分のトークライブは会場の熱気も冷めやらぬまま幕を閉じた。今まで不可能としか思えなかった柔道整復師業界の一本化だが、今回のトークライブを聞く限り、大いに実現が期待される。この流れにどこまで個人契約者、団体が賛同するのか?そして柔道整復師業界はどのように変革を遂げるのか?柔整ホットニュースでこれからの業界の動向を注視していきたいと思う。尚、C-1の模様は12月1日の柔整ホットニュースにて詳しく掲載する予定。

 

前のページ 次のページ
大会勉強会情報

施術の腕を磨こう!
大会・勉強会情報

※大会・勉強会情報を掲載したい方はこちら

編集部からのお知らせ

メニュー