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(公社)日本柔道整復師会第37回関東学術大会神奈川大会 開催

2015/03/11

平成27年3月7日(土)・8日(日)、パシフィコ横浜会議センターにおいて公益社団法人日本柔道整復師会第37回関東学術大会神奈川大会が開催された。

 

7日(土)に執り行われた開会式は、全国から(公社)日本柔道整復師会各県役員をはじめ多くの業界関係者が招かれ、盛大に催された。

開会式は(公社)群馬県接骨師会会長・大藤忠昭氏による開会の辞で幕を開けた。

工藤鉄男会長大会会長挨拶として壇上に立った(公社)日本柔道整復師会・工藤鉄男会長は〝日本柔道整復師会は今こそ団結しなければならない。一度は団結したのに、また分裂を始めている。全国で請求代行業者が増え、業界自ら受領委任払い制度を壊そうとしている。柔道整復師校は14校から107校にまで増えた。需要と供給のバランスが崩れたときに誰が正すのか。日本柔道整復師会がリーダーシップをもって整理し、国民にその姿を見せていきたい。そして伝統医療である柔道整復を、今後始まる新しい社会保障にしっかりと組み込まれるように努力していきたい〟と高らかに宣言した。

 

和田秀樹会長今大会の主管である(公社)神奈川県柔道整復師会・和田秀樹会長は〝ようこそ横浜へおいでいただき心より歓迎申し上げる。本大会では特別講演として、聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院整形外科教授・笹益雄先生に『手外科領域の外傷と疾患』と題しスキル向上となる貴重な講演をいただく。また、(公社)日本柔道整復師会・工藤鉄男会長より柔道整復師の未来について熱く講演していただく。そのほかにも海外で活動する柔道整復師の活動報告や介護の講習会、関東7県の代表による会員発表も行う。会員発表は日頃の業務の中で研究を重ねた血と涙の結晶である。ぜひ本大会を実りある大会としたい〟と歓迎の辞を述べた。

 

その後、数多くの来賓より挨拶が述べられ、華やかな祝宴を楽しみながらより一層結束を強めた。

会場

 

8日(日)は朝9時30分より特別講演1題、基調講演1題、会員発表7題、国際部活動報告、介護保険に関する講習が行われた。

黒岩祐治氏祝辞を述べた神奈川県知事・黒岩祐治氏は〝20代の時にギックリ腰になり途方に暮れているときに、柔道整復師の先生と出会ったことで救われ、柔道整復師の先生のパワーはすごいと実感した。神奈川県は高齢化が急速に進んでおり、対策を講じるため「ヘルスケアニューフロンティア」という旗を掲げ、最先端の医療技術と未病の治療を融合させ、健康寿命を延ばそうとしている。未病を治すことが超高齢社会では重要だと考えており、皆さんの経験・知識・技術を生かして介護状態を防ぎ、明るく健康な超高齢社会をつくってもらいたい〟と自身の経験も交えて期待を述べた。

 

水野知親氏厚生労働省神奈川労働局長・水野知親氏は〝日本柔道整復師会の皆様には、柔道整復師の資質と技量の向上と労働者の医療、保健、福祉の向上に熱心に取り組まれていることに改めて敬意を表する。労災補償において、長時間労働を原因とする精神障害の労働災害請求件数は増加傾向にあるが、多くは仕事中のけがや通勤途中の交通事故などである。できるだけ早期に職場に復帰してもらうことを目的としており、そのために柔道整復師の先生方のお力添えが不可欠だ〟として、引き続き協力を要請した。

 

特別講演
『手外科領域の外傷と疾患』
聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院
整形外科教授 笹益雄氏

笹益雄氏笹氏は冒頭、〝ばね指など手の手術をする際には大事な神経や血管の損傷を防ぐため、Kaplanの補助線というものを引くことが多い。補助診断法として、①単純X線撮影・特殊X線撮影、②関節造影、③CT、④骨シンチグラフィー、⑤MRI、⑥超音波検査などがある。関節造影は関節の中に漏れがないかを診るには有効だ。CTは断層撮影ができ、細かい骨折まで診ることに適している。骨シンチグラフィーは骨腫瘍などを診るのに適しているが、多少の侵襲がある。MRIは早期の診断に役立ち、骨や軟骨、腫瘍の状態把握に良い。超音波検査は整形外科での聴診器的役割を担い、ガングリオンなどの充実性腫瘍の検査等に役立つ〟として、それぞれの補助診断法に適した使用方法を紹介した。

 

しかしながら〝手関節は、①8つの手根骨から構成され、橈骨・手根関節、手根管関節、豆状・三角関節、遠位橈・尺関節などそれぞれ固有の関節形態を有している。②手根骨の動きは遠位列で能動的に、近位列で受動的にのみ動き、掌・背屈、橈・尺屈および回旋運動などの多様な動きが可能となっている。③軟部組織として背側・掌側に腱、靭帯、手根管、伸筋支帯、三角繊維軟骨複合体などがあり、炎症や障害を起こしやすい〟などの理由から、診断・治療に難渋しやすいとした。

 

〝外傷に既往歴がある手関節部疼痛性疾患としては急性症状の他、慢性症状として骨折後の偽関節を疑う。変形治癒で遠位橈尺関節障害、手根管症候群などを起こしている場合もある。X線で問題がある場合は骨折後合併症や骨萎縮、問題がない場合は手根関節の靭帯障害が多い。外傷の既往歴がない場合、急性症状(化膿性関節炎、化膿性腱鞘炎)や発作性疼痛(石灰沈着性腱鞘炎、痛風)、慢性症状(腱周囲炎、弾発手関節、尺側腱脱臼、ガングリオン)、変形性症状(関節リウマチ、母指CM関節症、手関節結核)などがある〟等述べ、13の疾患についてその原因と症状、診断方法および治療方法について画像や図を用いて詳細に解説を行なった。治療前後の状態を比較した写真が映し出されると、会場からは驚きの声が上がっていた。

 

基調講演
『柔整業界の過去・現在・未来』
公益社団法人日本柔道整復師会会長 工藤鉄男氏

工藤鉄男氏まず工藤氏は〝日本柔道整復師会が業界のトップリーダーとして何をしているのか、入会する意義は何かということがあまりにも伝わっていない。近年では患者に対する調査が行なわれ、整骨院にかかってはいけないようなイメージが蔓延している。不満に思っている人も多いだろう。様々な角度から情報発信を行なっていかなければならない〟として、日本柔道整復師会が行なっている要望の内容とそれに対する回答を紹介した。

  • 療養費受領委任協定の見直しを図られたい
  • 「新規」柔道整復師施術管理者の強化について
  • 柔道整復師の施術に係る療養費の適正な料金設定を図られたい
  • 柔道整復師卒後臨床研修の制度化を図られたい
  • 生活保護患者の接骨院への通院の円滑化を図られたい
  • 柔道整復師養成施設の急増防止対策(設置基準の見直し等)を図られたい

〝協定は個人請求者がいない時代のものであり既に疲弊している。協定を見直すことで、おかしな施術者がいなくなるようにしたい。この要望に対し、「柔道整復療養費検討専門委員会といった場を活用し、中・長期的な課題も含め検討を行なうことが必要」との回答があった。また、業界の環境整備として柔道整復師施術管理者の強化を検討するよう要望した。これに対しては「現状の取り扱いは、柔道整復師法において規定された資格以上に厳しい要件を課すべきではないとの理由によるものかと思うが、一方で適正な保険請求を確保するためにも、療養費のルールの中で施術管理者の在り方について検討してもよいのではないかと思っている」という回答があった。卒後研修については医師や看護師と同様に実施していきたい〟と話した。また話題となっている患者調査についても言及し、〝現在情報を集めている。厚生労働省の指導もこれから強化されるはずだ。調査の仕組み作りにも取り組んでいきたい〟と力強く話した。

 

続けて工藤氏は、柔道整復術の滅亡の危機と復活の歴史について解説し、〝日本柔道整復師会は昭和62年に倫理綱領を制定した。そこには「柔道整復師の職務に誇りと責任をもち、仁慈の心を以って人類への奉仕に生涯を貫く」「国民の規範となるべく人格の陶冶に努める」「学問を尊重し技術の向上に努める」等と書かれている。これが国民との約束だ〟と述べ、研鑽を積んでいくことの重要性を説いた。

 

 
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